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メトロノーム

中世ヨーロッパの民族楽器「ハーディー・ガーディー」

「Hurdy-Gurdy(ハーディー・ガーディー)」とは、ベルギー地域など中世ヨーロッパで用いられていたとされる楽器の一つです。

非常に独特の形状をしているところに特徴があり、弦楽器でありながら鍵盤もついており、ハンドルを回しながら演奏するという、現存しているどの楽器とも全く似ていません。

あえて言えば音色はややバグパイプに似ている雰囲気ですが、それよりも音全体に奥行きがあり、どこか魔術的な雰囲気すら感じます。

見た目も音色もユニークなものであるため、一度目にすると忘れられない楽器です。
歴史的記録では最古のものは11世紀以前より存在していたとされ、過去には消滅の危機もありました。

本場ヨーロッパですらその存在を知らない人もいるほどになっていたところ、このたびクラウドファンディングサイトの「Kickstarter」より生産のための募集がかけられました。

投資を公募するにあたり、実際に演奏している様子や組み立ての様子をYoutubeの動画で公開しており、その表現のしづらい独特の音色を耳にすることができます。

本体は重さ1.7kg程度で、大人が一抱えできるくらいの大きさです。
開発元のUGEARSが木製のパネルをくり抜くタイプのおもちゃを作ってきたという背景もあり、歴史的デザインとは少し趣が異なり、木のパネルを自分で組み立てる方式にしています。
ハーディーガーディーのメカニズムを知りながら楽器を所有することができるという楽しみがあります。

ハーディーガーディーの実際の使用場所

Kickstarterで公募されているキャンペーンでは既に当初の目標金額を大きく上回っており、1本あたり59ドル(約6600円)から販売されることが決定しています。

楽器を使っての曲演奏ですが、Youtube上では既に実際に演奏をしている人の様子が数多くアップロードされています。

ハーディーガーディーをレコーディングに使用したアルバムもあり、現代音楽のサンプリングにも十分に使用をすることができます。

現代的なハーディーガーディーの使用方法を知りたい人におすすめなのがDonovanによる「The Hurdy Gurdhy Man」という曲です。

こちらではハーディーガーディーをテーマ―にした楽曲を製作しており、前衛的ながら神秘的な雰囲気の漂う名盤として仕上がっています。(デヴィット・フィンチャー監督の「Zodiac」のテーマとしても使用されている曲です)。

構造そのものは決して難しくないので、管楽器や弦楽器よりも上達のスピードが早く、何か楽器を始めたいと思っている人にも大変おすすめできます。

デジタルで音楽制作をしている人にもサンプリングの幅を広げるために使えるでしょう。