master

一眼レフカメラ

懐かしのゲームボーイが望遠鏡になる

ゲームボーイといえば、1989年に初代機が発売された任天堂の人気機種です。
その後「ゲームボーイポケット」や「ゲームボーイライト」「ゲームボーイカラー」など複数の機種が販売され、長年にわたり人気のゲームタイトルをリリースしてきました。

参考サイトはこちら→GAMEBOY ハードウェア

初代ゲームボーイは爆発的なヒットとなりアメリカで1800万台、日本では1245万台をはじめ欧米各国で数百万台が売れました。

そんなゲームボーイのアクセサリ品として販売されたのが「ポケットカメラ」です。
今でこそ携帯電話やスマートフォンでカメラ機能を使用することは当たり前になっていますが、1990年初頭ではカメラ付き携帯機種というのは非常に珍しく「ポケットカメラ」は最先端の技術として大きな注目を受けました。

しかし当時は最先端とはいえカメラ機能としては現行のスマホ機種と比較してかなり画像の粗いもので、撮影用としては不向きです。

ゲームボーイの初代の機種はモノクロ画面であったことから、ポケットカメラで撮影できる画像もモノクロとなっています。

しかし高解像度が当たり前になった今だからこそモノクロ写真のよさが見直されるようになっており、ポケットカメラの機能についても新たな応用法が考案されるようになりました。

ゲームボーイ用のポケットカメラを新技術として開発したのは天文学者のAlexander Pietrow氏で、実際にポケットカメラを使用して天体写真の撮影を行いました。

撮影はオランダのライデン大学の天文台を用いたもので、ポケットカメラを搭載したゲームボーイアドバンスSPによって撮影されました。

なぜポケットカメラを使用したのか?

撮影をしたAlexander Pietrow氏は取材に対し、「古いテクノロジーで遊ぶのが好きだった」というふうに答えています。

ゲームボーイ及びポケットカメラを使用した撮影は、当然最先端の天体望遠鏡と比較して機能的にきわめて素晴らしいものではなく、実際に撮影された映像も不明瞭な部分が多いです。

しかし不明瞭であるからこそ味のある映像ということもでき、他のカメラでは映すことのできない天体の姿が表現されています。

ポケットカメラは2ビットで撮影されるということが特徴であるため、画像はゲームボーイの画面で見られるようなドット風の見た目です。

撮影時に最も苦労をしたのは天候によって撮影条件が変化してしまうということで、実際に公表された写真を撮影するまで何日もかかったと言います。

撮影に成功した星は木星と月のみとなっていますが、今後は土星や太陽の黒点の撮影も予定しているということです。