開発者と各製品の紹介
現在多くの公共の場所に使用されているカメラですが、そこにAI技術を使うことでより高度なセキュリティを実施することができます。
そのための技術として既に都内の大型施設に導入されているのが、PKSHA Technologyによる人の動きを感知する技術です。
これは三菱地所、綜合警備保障(ALSOK)、PKSHA Technologyの三社が提携することで、2018年1月11日から実施をされています。
PKSHA Technologyによる技術では、監視カメラ映像をAIカメラによって解析することにより、困っている人を事前に察知することができるものです。
東京都千代田区にある新丸の内ビルディングの地下1階で実証実験を行ったところ、道に迷ってあたりを見回している人や、体調が悪く座り込んでしまっている人をカメラで解析することで素早く発見することができています。
使用されている技術は「Vertical Vision」といい、これはAIに深層学習技術を用いることにより、人の顔や向き、表情を自動的に解析できます。
解析した結果はエリアを巡回している警備員のスマートフォンに自動的に通知されるようになっているので、すぐに近くにいるスタッフがその人を助けに向かうことが可能です。
実証実験の結果をもとに、さらにビルの利用者に対してのサービスを向上させていくと公表していることから、今後多くの場所で使用されることになるのではないかと思われます。
サービス内容とメリット
「Vertical Vision」ではカメラに写り込む人の認識をするとともに、移動経路や体の姿勢、行動、属性ということまでを瞬時に読み取ることができる機能が設定されています。
上記での警備との連携だけでなく、例えば特定の道路や施設を訪れた人をカウントしてそこから導線を分析したり、特定の行動をする人を検知したりといったように応用をしていくことも可能です。
この技術の優れたところは、顔の表情や外的特徴からその内容を定量化ができるということです。
表情を読み取れることにより、人の感情や認識を推定することができるので、高い精度で同一判定ができます。
人だけでなく自動車などの乗り物についても同様に解析ができるので、空き領域を分析したり各種統計をとっていくことも可能になります。
交通量の測定や駐車時間の分析といったことにも既に技術が導入されており、それまで人の目で測定してきた内容をAIにより自動的に行うことができるようになっているのです。
さらに小売や医療分野で細かい分析ができるような機能も開発が進められていることから、今後より多く使用されていくことになるでしょう。