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CASEのメリットと現状

急激にテクノロジーが進化している分野の一つが自動車業界ですが、中でも注目の技術となっているのが「CASE」でしょう。

「CASE」とはConnected(つながる)、Autonomous(自律走行)、Shared(共有)の3つの技術を合わせたもののことです。
現在でもカーシェアリングなどが全国主要都市を中心に開始されていますが、それをより便利な形で提供できることが目標となっています。
自動車の自動運転については日本でも主要メーカーがかなり本格的に開発が進められていますが、その分野においては海外メーカーの方が一歩先んじているというのが現状です。

そもそも「CASE」という言葉が登場したのは2016年のパリモーターショーで、その時にダイムラーのディーター・ツェッチェ社長が新型EV(電気自動車)のブランドを立ち上げることに合わせて「CASE」という言葉を登場させました。

この時に「CASE」の登場が自動車業界を一変させる力を持つというふうにも言っており、実際その後数年が経過した現在において、最先端の自動車開発にその流れは順調に引き継がれています。

ただ、CASEは技術的に開発ができたとしても、それを実際の公道で使用するためには根本から法整備をやり直さなくてはならないという問題があります。
現在の自動車業界では個人が免許を取得して自動車を購入またはレンタルをして運転することが前提になっているので、自動車保険や交通法規について、全く異なる仕組みを作っていかなくてはならないでしょう。

しかし世界的にCASEの流れがある中、日本だけが既存の自動車業界を変化なく続けていくということはできません。
メリットの大きなCASEを今後既存の業界にどのように導入していくか、という移行方法が問題になってきます。

課題、展望

自動車業界にあまり詳しくない人にとっては、CASEといっても、単に自分が運転しなくても勝手に目的地にまで自動車が動いてくれるくらいにしか思えないかもしれません。

しかしCASEがもし本格的に導入された場合、個人で自動車の免許を取得する必要がなくなりますし、自動車を個人所有する必要もなくなります。
すると交通事故の責任は運転手ではなく自動車の管理者や製造者となるでしょう。

道路についても個人で自動車を所有しなくてもよくなるので駐車場の必要がなくなり、またガソリンスタンドも現在のように各地に設置する必要もなくなります。
タクシーやレンタカーといった公共交通機関は全く必要なくなりますので、まさに社会全体が大規模な革命が起こると言ってもよいでしょう。

さらに物流についても運転手が不要になり、休憩も不要になることから、飛躍的に効率がよくなると予想されます。