master

窓

透明な太陽電池を使用した技術

スマートフォンやタブレット端末の普及により、ガラスやディスプレイに関する技術は急速に発展しています。
新たなガラス技術として今最も注目をされているのが「調光ガラス」です。

「調光ガラス」とは、電気や熱、光など外部からの信号を受けることにより、透過する光の量を自動的に調節することができるガラスのことです。

調光のメカニズムはいくつかの技術によっており、液晶とガラスを組み合わせたり、光物性が可逆的に変化するクロミズムというしくみを応用していたりします。

クロミズムにも電気によるエレクトロクロミズムや熱によるサーモクロミズム、光によるフォトクロミズムという分類があります。

調光ガラスという技術そのものは以前より存在していたのですが、2017年2月のニュースで米国のスタートアップ企業である「Kinestral Technologies」が最新の技術を用いた「Halio(ヘイリオ)」を発表したことによりIT業界で大きな話題になりました。

この「Halio」には旭硝子も出資や開発協力をしており、すでにパイロット版の製造を開始しています。
「Halio」の特徴は従来までの調光ガラスよりも自然な透過度を実現しているということと、逆に光を99.9%まで遮蔽することができる暗色に短時間で変化させることができるということです。

IoTとスマート調光ガラスの相性は抜群

「Halio」など調光ガラスが大きな注目を受けるようになったのは、発展中のIoTと非常に相性がよいからです。
IoTとは、現実の物体とネットワークをつないで行う技術やサービス全般のことで、外界の刺激によって動作が変化する調光ガラスはスマートフォンに導入することで大きな技術発展が期待されます。

「Halio」では大型ガラスであっても3分以内に透明な状態からスモークに変化をすることができるようになっており、これは従来までの製品と比較してかなりの高性能です。

この調光ガラスは窓ガラスなど市販のガラス製品だけでなくスマートフォンの画面としても開発されており、専用のアプリと組み合わせることにより画面の明るさを簡単に操作することができます。

スマートフォンの場合には音声認識や温湿度センサーと組み合わせることで周囲の環境により画面表示を変化させることができるというメリットがあります。

屋内用の窓ガラスとして使用をすれば、カーテンを使用することなく表から見えにくい室内を作ることができるようになったり、車のサンルーフとして使用することができたりします。

今後調光ガラスが市場に与えるインパクトは1000億ドル以上とも試算されており、住居メーカーやIT機器メーカーで導入製品が続々と投入されていくことになるでしょう。